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第5章 生活支援技術 ・ レッスン5-6

人生の最終段階の介護とは?人生会議(ACP)と家族への支援

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

もしものとき、どんな医療やケアを受けたいか。あなたは、家族と話したことがありますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン5-5から

Q1. 前のレッスンの復習です。ユニット型の介護老人福祉施設の運営基準(第43条第7項)は、着替えや整容についてどう定めていたでしょう?

答えを見る

正解: 2. 入居者が行う離床、着替え、整容等の日常生活上の行為を適切に支援する
正解です。主語が本人になっている点が、自立を支える考え方を表していました。

01基本は、本人による意思決定

厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」は、本人による意思決定を基本とすることを最も重要な原則としています。

本人は、医師などから適切な情報の提供と説明を受けます。そのうえで、医療・介護従事者でつくる医療・ケアチームと十分に話し合います。

ガイドラインは平成30年3月に改訂され、病院だけでなく介護施設や在宅の現場も想定したものになりました。解説編は、在宅や施設では介護支援専門員や介護福祉士等の介護従事者がチームに加わることも想定しています。

解説編によると、平成27年3月の検討会で、最期まで本人の生き方を尊重するという考えから、「終末期医療」は「人生の最終段階における医療」と呼び名が変わりました。

02人生会議(ACP):前もって、繰り返し話し合う

厚生労働省は、もしものときに望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組を「人生会議」と呼んでいます。

厚生労働省は、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)をより馴染みやすい言葉にするため、「人生会議」という愛称に決めました。ガイドラインは、本人の意思は変化しうるため、話し合いを繰り返すことが重要だとしています。

話し合った内容は、その都度、文書にまとめておくものとされています。解説編は、医療・介護従事者からの押しつけにならないよう配慮し、本人の意思が十分に示されたうえで残すことが大切だとしています。

03本人が意思を伝えられないときと、家族等への支援

本人の意思を確認できない場合、ガイドラインは、家族等が本人の意思を推定できるならその推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針をとることを基本としています。

本人が意思を伝えられなくなるときに備え、特定の家族等を意思を推定する者として前もって定めておくことも重要だとしています。解説編によると、家族等は法的な親族に限らず、親しい友人なども含みます。

ガイドラインは、本人だけでなく家族等の精神的・社会的な援助も含めた、総合的な医療・ケアが必要だとしています。積極的安楽死は、このガイドラインの対象ではありません。

状況基本とする方針
家族等が本人の意思を推定できる推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針をとる
家族等が本人の意思を推定できない本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善の方針をとる
家族等がいない、または判断を医療・ケアチームに委ねる本人にとっての最善の方針をとる
本人の意思が確認できない場合の方針の決め方(厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」平成30年3月改訂をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたが自分の意思を伝えられなくなったとき、代わりに気持ちを伝えてほしい人は誰ですか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 人生の最終段階の医療・ケアは、本人による意思決定が基本。ガイドラインは平成30年3月改訂
  2. 人生会議(ACP):前もって家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、内容はその都度文書に
  3. 意思を確認できないときは推定意思を尊重し、本人にとっての最善を。家族等への精神的・社会的な援助も

TERMSこのレッスンの用語

人生会議(ACP)Advance care planning

もしものときのために、望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組。ACPの愛称。

医療・ケアチームMedical and care team

本人の医療・ケアに関わる多専門職種の医療・介護従事者で構成されるチーム。在宅や施設では、介護支援専門員や介護福祉士等が加わることも想定されている。

LESSON 5-6 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 厚生労働省のガイドラインが、人生の最終段階における医療・ケアの最も重要な原則としていることはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 本人による意思決定を基本とすること
正解です。適切な情報の提供と説明のうえで、本人が医療・ケアチームと十分に話し合い、本人による意思決定を基本とします。

Q2. 人生会議(ACP)についての説明として、ガイドラインの考え方に合うものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 本人の意思は変化しうるので、話し合いを繰り返す
ここがポイントです。話し合いは繰り返し行い、話し合った内容はその都度、文書にまとめておくものとされています。

日常の場面で考える

Q3. あなたは施設の介護職です。入居者のNさんが「延命のことは、娘より長年の親友のほうが私の気持ちをわかっている」と話しました。ガイドラインに沿った対応はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. Nさんの思いを受け止め、医療・ケアチームで共有し、話し合いにつなげる
惜しかった人も大丈夫です。家族等は法的な親族に限らず、親しい友人なども含みます。介護福祉士も医療・ケアチームの一員として、本人の思いをくみ取り共有します。

レッスン5-6はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第5章 生活支援技術 のレッスン一覧
  1. 5-1移動と移乗の介助
  2. 5-2食事の介助
  3. 5-3入浴と清潔の介助
  4. 5-4排泄の介助
  5. 5-5着替えと身じたく
  6. 5-6人生の最終段階の介護

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出典(3件)
  1. 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(平成30年3月改訂)
  2. 人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン 解説編」(平成30年3月改訂)
  3. 厚生労働省「『人生会議』してみませんか」