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第5章 生活支援技術 ・ レッスン5-5

着替えと身じたくの介助とは?できることを生かす支え方

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

朝の着替え。ボタンは留められないけれど、袖には自分で腕を通せる人がいます。あなたなら、どこまで手伝いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン5-4から

Q1. 前のレッスンの復習です。介護老人福祉施設の運営基準(第13条第4項)は、おむつについてどう定めていたでしょう?

答えを見る

正解: 1. おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを、適切に取り替える
正解です。おむつは使用せざるを得ない場合のものです。ユニット型では、排せつの自立を図りつつ取り替えるとされていました。

01着替えと整容:「介護を行う」から「本人が行うことを支える」へ

介護老人福祉施設の運営基準は、離床、着替え、整容等の介護を適切に行わなければならないと定めています(第13条第6項)。

ユニット型の施設では、表現が変わります。入居者が行う離床、着替え、整容等の日常生活上の行為を、適切に支援しなければならないとしています(第43条第7項)。

主語が施設から本人に移っている点に注目しましょう。ユニット型の介護は、入居者が自律的な日常生活を営むことを支援するよう行われるとされています(第43条第1項)。

従来型の基準も、介護は入所者の自立の支援と日常生活の充実に役立つよう行うとしています(第13条第1項)。第2章で学んだ自立支援は、着替えの場面でも土台になります。

02できることを見る:着替えのどこに介助が要るのか

要介護認定の調査では、上衣の着脱とズボン等の着脱を、介助の方法で評価します。選択肢は、介助されていない、見守り等、一部介助、全介助の4つです。

同じ調査では、口腔清潔、洗顔、整髪も、介助の方法で評価する項目に入っています。審査会委員テキストは、これらの選択肢は介助の量を意味していないとし、具体的な状況は特記事項に記録するとしています。

つまり、同じ「一部介助」でも、どこをどれだけ手伝うかは人によって違います。袖に腕を通せる人なら、そこは本人にまかせ、難しい部分だけを手伝う考え方です。

本人ができることまで代わりにすると、その力を使う機会がなくなります。着替えの介助では、まず本人ができることを確かめることから始めます。

03衣服と用具:引っかかりにくさも安全のうち

テクノエイド協会の研修教材は、車いすのフットサポートに衣服が引っかかって転倒しそうになった事例から、衣服の選定にも配慮が必要だとしています。

車いすには、ブレーキレバーや手押しハンドルなど、衣服を引っかけやすい突起が多くあります。教材は、ベッド用グリップにパジャマの袖口が引っかかった事例も紹介しています。

教材は、襟が引っかかって窒息する事故事例も報告されているとしています。ベッドや用具に洋服を引っかけやすい突起がないかを確認し、リスクとして認識することが大切です。

施設条文書き方
従来型第13条第6項離床、着替え、整容等の介護を適切に行わなければならない
ユニット型第43条第7項入居者が行う離床、着替え、整容等の日常生活上の行為を適切に支援しなければならない
着替え・整容についての運営基準の書き方の違い(e-Gov法令検索「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたが毎朝の身じたくで「これだけは自分でやりたい」と思うことは何ですか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 運営基準:ユニット型は、入居者が行う着替え・整容等を適切に支援する(第43条第7項)
  2. 要介護認定の着脱の項目は、介助されていない・見守り等・一部介助・全介助で評価する。選択肢は介助の量そのものではない
  3. 衣服が車いすやベッド用グリップの突起に引っかかる危険も確認する

TERMSこのレッスンの用語

整容Grooming

身なりを整えること。運営基準は、離床、着替えとあわせて、整容等の介護や支援を施設に求めている。

LESSON 5-5 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. ユニット型の介護老人福祉施設の運営基準(第43条第7項)は、着替えや整容についてどう定めているでしょう?

答えを見る

正解: 1. 入居者が行う離床、着替え、整容等の日常生活上の行為を適切に支援する
正解です。従来型の第13条第6項は「介護を適切に行う」、ユニット型の第43条第7項は「入居者が行う行為を支援する」という書き方です。

Q2. 介護認定審査会委員テキストが、介助の方法で評価する項目の「見守り等」「一部介助」「全介助」について説明していることはどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 選択肢は介助の量を意味していない
ここがポイントです。選択肢は介助の量を意味しておらず、具体的な状況は特記事項に記録されます。

日常の場面で考える

Q3. あなたは施設の介護職です。Mさんは前開きシャツの袖に自分で腕を通せますが、ボタンを留めるのは難しいようです。朝は忙しい時間帯です。自立支援に沿った介助はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 袖通しは本人にまかせ、ボタンだけを手伝う
惜しかった人も大丈夫です。できる部分は本人にまかせ、難しい部分だけを手伝います。本人が力を使う機会を残すことが自立支援です。

レッスン5-5はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第5章 生活支援技術 のレッスン一覧
  1. 5-1移動と移乗の介助
  2. 5-2食事の介助
  3. 5-3入浴と清潔の介助
  4. 5-4排泄の介助
  5. 5-5着替えと身じたく
  6. 5-6人生の最終段階の介護

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出典(4件)
  1. e-Gov法令検索「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(第13条・第43条)
  2. 厚生労働省「要介護認定 介護認定審査会委員テキスト2009 改訂版」(平成24年4月)
  3. 公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具ヒヤリハット 研修教材」Case152 フットサポートに衣服が引っかかり、転倒しそうになる
  4. 公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具ヒヤリハット 研修教材」Case29 ベッド用グリップにパジャマがひっかかり、転倒しそうになる