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第8章 認知症の理解 ・ レッスン8-5認知症の人の家族を支えるには?認知症カフェと支援のしくみ
約5分 ・ 公開日 2026-10-06
このレッスンの問い
認知症の人を介護する家族が、同じ立場の人と気軽に話せる場所は、あなたの地域にあると思いますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
前のレッスンの復習(1問)
本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。
Q1. 認知症の人が言葉でうまく伝えられないとき、意思決定支援ガイドラインが意思表示として読み取るよう求めているものはどれでしょう?
答えを見る
正解: 1. 身振りや表情の変化
正解は「身振りや表情の変化」です。本人には意思があることを前提に、言葉以外のサインも意思表示として最大限読み取ります。
介護のことで困ったときの相談先
この講座は学習用で、個別のケースの判断はできません。家族の介護に困ったときや、高齢者への虐待かもしれないと思ったときは、次の公的な窓口に相談できます。確信がなくても相談できます。
- 地域包括支援センター(高齢者の暮らしと介護の総合相談窓口。お住まいの市区町村のホームページや役所の介護保険担当で、担当のセンターを確認できます)
- 市区町村の高齢者虐待の通報・相談窓口(高齢者虐待防止法にもとづき、市町村が通報や相談を受け付けます)
命の危険があるときは110番や119番に連絡してください。出典: e-Gov法令検索「介護保険法」第115条の46、e-Gov法令検索「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」第7条・第21条
01家族も支援の対象。認知症基本法と介護保険のしくみ
認知症基本法は、認知症の人だけでなく、家族等への支援も基本理念に掲げています。介護保険でも、市町村が認知症の人と家族を支える事業を行います。
第3条の基本理念の5つ目は、家族等への支援によって、本人と家族等が地域で安心して暮らせるようにすることです。
介護保険法第115条の45第2項は、包括的支援事業の1つに、認知症の早期の悪化防止など総合的な支援を挙げています。包括的支援事業と地域包括支援センターは、第3章で学びました。
同じ条の第3項では、介護方法の指導など、介護している人を支える事業も、市町村が行えると定めています。
02認知症カフェ・初期集中支援チーム・地域支援推進員
認知症カフェは、認知症の人や家族が地域の人や専門家と情報を共有し、理解し合う場です。2024(令和6)年度には、全国で9,105か所が運営されていました。
月1〜2回、2時間ほど開かれることが多く、家族にとっては、わかり合える人と出会う場になります。設置しているのは、地域包括支援センターや介護サービス事業所などです。
認知症初期集中支援チームは、医療と介護の専門職が、認知症が疑われる人や家族を訪問するチームです。おおむね6か月、初期の支援を集中的に行います。チーム員の職種には、介護福祉士も含まれています。
認知症地域支援推進員は、地域包括支援センターなどに置かれます。医療と介護の連携づくりや、本人と家族への相談支援、認知症カフェの開設などを行います。
03介護と仕事の両立も、家族の大きな課題
総務省の2022(令和4)年就業構造基本調査では、介護・看護のために過去1年間に仕事を辞めた人は10.6万人でした。
介護・看護のために過去1年間に仕事を辞めた人は、2007年から2017年まで減り続けていました。しかし2017年から2022年にかけて、増加に転じています。
同じ調査で、介護をしている人は629万人でした。そのうち仕事をしている人は365万人で、58.0%にあたります。
介護福祉士は、家族の疲れや迷いに気づける立場にあります。介護離職と家族介護者の相談先については、第12章で学びます。
| しくみ | どんなものか | 主な担い手・置かれる場所 |
|---|---|---|
| 認知症カフェ | 本人や家族が、地域の人や専門家と情報を共有し、理解し合う場 | 地域包括支援センター、介護サービス事業所など |
| 認知症初期集中支援チーム | 認知症が疑われる人や家族を訪問し、初期の支援をおおむね6か月集中的に行う | 医療と介護の専門職、認知症サポート医である医師 |
| 認知症地域支援推進員 | 医療と介護の連携づくり、本人と家族への相談支援、認知症カフェの開設など | 地域包括支援センター、市町村の本庁など |
あなたの場合は?
あなたの住む市町村に認知症カフェがあるか知りたいとき、まずどこに聞きますか?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 認知症基本法は、家族等への支援も基本理念に掲げる(第3条)
- 認知症カフェは本人と家族が地域の人や専門家と理解し合う場。2024年度に全国9,105か所
- 初期集中支援チームは訪問しておおむね6か月の初期支援。地域支援推進員は連携づくりと相談支援
TERMSこのレッスンの用語
認知症の人や家族が、地域の人や専門家と情報を共有し、お互いを理解し合う場。
医療と介護の専門職が、認知症が疑われる人や家族を訪問し、初期の支援をおおむね6か月集中的に行うチーム。
地域包括支援センターなどに置かれ、医療と介護の連携づくりや、本人と家族への相談支援などを行う人。
LESSON 8-5 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 認知症初期集中支援チームについて、正しいものはどれでしょう?
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正解: 1. 医療と介護の専門職が訪問し、初期の支援をおおむね6か月集中的に行う
正解は「医療と介護の専門職が訪問し、初期の支援をおおむね6か月集中的に行う」です。認知症が疑われる人や認知症の人とその家族を訪問し、家族の支援も行います。
Q2. 総務省の2022(令和4)年就業構造基本調査で、介護・看護のために過去1年間に前の仕事を辞めた人は何人だったでしょう?
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正解: 2. 10.6万人
正解は10.6万人です。同じ調査で、介護をしている人は629万人、そのうち仕事をしている人は365万人(58.0%)でした。
Q3. あなたは訪問介護員です。認知症のUさんを介護する娘さんが、疲れた様子で「同じ立場の人と話してみたい」と言いました。対応として適切なものはどれでしょう?
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正解: 1. 認知症カフェのような場があることを伝え、地域包括支援センターなどで情報を得られると紹介する
認知症カフェは、家族がわかり合える人と出会える場です。家族の疲れに気づいたら、話を受け止め、地域の支援につなぐことが大切です。
レッスン8-5はここまでです
迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。
出典(7件)
- e-Gov法令検索「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(第3条第5号 家族等への支援)
- e-Gov法令検索「介護保険法」(第115条の45第2項第6号・第3項第2号)
- 厚生労働省「主な認知症施策について」(認知症初期集中支援チーム・認知症カフェ・認知症地域支援推進員)
- 厚生労働省「認知症カフェ実施(概要)」(令和6(2024)年度実績調査。9,105カフェ、設置主体)
- 厚生労働省「認知症初期集中支援チーム(概要)」(おおむね6か月、チーム員の職種)
- 厚生労働省「認知症地域支援推進員(概要)」(配置先と役割)
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」(介護をしている者629万人・うち有業者365万人・58.0%、介護・看護のために過去1年間に前職を離職した者10.6万人)