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第4章 人間関係とコミュニケーション ・ レッスン4-4

チームでどう伝える?報告・連絡・相談と介護記録

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

利用者の様子がいつもと違うと気づいたとき、あなたは誰に、いつ伝えますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン4-3から

Q1. 前のレッスンの復習です。認知症の人への対応の心得「3つのない」に含まれないものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 話しかけない
正解は「話しかけない」です。3つのないは、驚かせない・急がせない・自尊心を傷つけないでした。視野に入ってから、目線を合わせて話しかけます。

01情報共有:変化に気づき、目的をはっきりさせて渡す

変化し続ける利用者の状況をつかみ、緊急性や重要性を考えてほかの職員に共有することは、チームケアの観点から大切です。

厚生労働省の介護分野の生産性向上ポータルサイトは、共有するときに目的を明確にするよう勧めています。たとえば「報告」「連絡」「相談」といった目的を書くルールを設け、相手に何を期待するのかをはっきりさせます。

情報の集め方と渡し方も、ルールにしておきます。いつ、誰が、どこで、どんな情報を集めるか。集めた情報を、いつ、誰に共有するかです。

伝える手段は、緊急度や重要度、個人情報が含まれるかどうかで選びます。ポータルサイトは、インカム(トランシーバー)なら状況をその場で時間差なく全員で共有できる、という例も挙げています。

02記録:整備と保存が基準で決まっている

介護老人福祉施設は、提供したサービスの具体的な内容などを記録し(運営基準第8条第2項)、その記録を完結の日から2年間保存しなければなりません(第37条第2項)。

保存が義務づけられた記録は6種類です。施設サービス計画、提供したサービスの内容、身体的拘束等の記録、市町村への通知、苦情、事故の記録です。

同じポータルサイトは、記録の様式を工夫すると、利用者の時間を追った変化や、職員の報告内容の偏りが見えてくるとしています。記述式の記録では、定型文などのルールが、文章が長くなるのを防ぎ、職員による書き方のムラを減らすとしています。

様式を見直すと、「なぜ文書を作成しているのか」という本来の目的に気づくことができる、ともしています。

03秘密を守る:記録も会話も慎重に扱う

施設の従業者は、正当な理由なく、業務上知った入所者やその家族の秘密を漏らしてはなりません(運営基準第30条第1項)。

施設は、辞めた従業者が秘密を漏らさないよう措置を講じる義務があります(第30条第2項)。ほかの事業者に入所者の情報を提供するときは、あらかじめ文書で同意を得ておきます(第30条第3項)。

日本介護福祉士会の倫理基準も、記録の保管と廃棄について、秘密が漏れないよう慎重に管理するとしています。

介護福祉士自身の秘密保持義務は、第1章の「介護福祉士の義務」で学びました。傾聴で聞いた話も大切な個人情報で、本人の同意なく漏らすと信頼関係を壊すことにつながります。

記録根拠になる条文
施設サービス計画第37条第2項第1号
提供した具体的なサービスの内容等の記録第8条第2項
身体的拘束等の態様と時間、心身の状況、緊急やむを得ない理由の記録第11条第5項
市町村への通知に関する記録第20条
苦情の内容等の記録第33条第2項
事故の状況と、事故の際にとった処置の記録第35条第3項
介護老人福祉施設が整備し、完結の日から2年間保存する記録(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第37条第2項をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたが職場や家庭で何かを伝えたとき、相手に「それで、どうしてほしいの?」と聞き返されたことはありますか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 共有するときは「報告」「連絡」「相談」など目的を明確にし、相手に期待することを伝える
  2. 介護老人福祉施設は、サービス内容などの記録を完結の日から2年間保存する
  3. 業務上知った秘密は漏らさない。他の事業者への情報提供は、あらかじめ文書で同意を得る

TERMSこのレッスンの用語

施設サービス計画Facility service plan

介護老人福祉施設で介護支援専門員が入所者ごとに作る計画。援助の方針、解決すべき課題、サービスの目標と内容などを記載する。

介護記録Care records

提供した介護サービスの具体的な内容などを残す記録。介護老人福祉施設は完結の日から2年間保存する。

LESSON 4-4 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 介護老人福祉施設は、提供したサービスの内容等の記録を、どれだけの期間保存しなければならないでしょう?

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正解: 2. 完結の日から2年間
正解は、完結の日から2年間です(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第37条第2項)。

Q2. 介護老人福祉施設が、ほかの事業者に入所者の情報を提供するときの決まりとして正しいものはどれでしょう?

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正解: 1. あらかじめ文書で入所者の同意を得ておく
ここがポイントです。第30条第3項は、居宅介護支援事業者等に入所者の情報を提供する際は、あらかじめ文書により同意を得ておくよう定めています。

日常の場面で考える

Q3. あなたは施設の介護職です。朝食のとき、いつもは完食するNさんがほとんど食べず、元気がありません。チームでの伝え方として最も適切なものはどれでしょう?

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正解: 2. 「Nさんのことで報告です」と目的を示してリーダーや看護職員にすぐ伝え、様子を記録に残す
惜しかった人も大丈夫です。いつもと違う変化は、緊急性を考えて早めに共有します。目的を示すと、相手が何をすればよいかがわかります。周りに聞こえる場所で話すのは、秘密を守る観点から避けます。

レッスン4-4はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第4章 人間関係とコミュニケーション のレッスン一覧
  1. 4-1受容・共感・傾聴
  2. 4-2非言語コミュニケーション
  3. 4-3障害に応じたコミュニケーション
  4. 4-4報告・連絡・相談と記録

講座の目次(全12章)へ

出典(5件)
  1. e-Gov法令検索「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(第8条・第12条・第30条・第37条)
  2. 厚生労働省 介護分野における生産性向上ポータルサイト「情報共有の工夫」
  3. 厚生労働省 介護分野における生産性向上ポータルサイト「記録・報告様式の工夫」
  4. 日本介護福祉士会「倫理綱領」(倫理基準(行動規範))
  5. 厚生労働省「こころの耳」部下の話を聴けていますか-傾聴のすすめ-「1 傾聴の基本的態度」