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第3章 社会の理解 ・ レッスン3-1介護保険とは?誰が入り、誰がサービスを使えるのか
約5分 ・ 公開日 2026-10-06
このレッスンの問い
45歳の人が交通事故のけがで介護が必要になったとき、介護保険のサービスは使えると思いますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
介護のことで困ったときの相談先
この講座は学習用で、個別のケースの判断はできません。家族の介護に困ったときや、高齢者への虐待かもしれないと思ったときは、次の公的な窓口に相談できます。確信がなくても相談できます。
- 地域包括支援センター(高齢者の暮らしと介護の総合相談窓口。お住まいの市区町村のホームページや役所の介護保険担当で、担当のセンターを確認できます)
- 市区町村の高齢者虐待の通報・相談窓口(高齢者虐待防止法にもとづき、市町村が通報や相談を受け付けます)
命の危険があるときは110番や119番に連絡してください。出典: e-Gov法令検索「介護保険法」第115条の46、e-Gov法令検索「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」第7条・第21条
01介護保険は、市町村が運営する社会保険
介護保険は、介護が必要になった人を国民みんなで支えるため、市町村と特別区が運営する社会保険です。
介護保険法の第1条は、制度の目的を定めています。加齢による病気などで介護が必要になった人が、尊厳を保持し、能力に応じて自立した生活を送れるようにすることです。そのために、国民の共同連帯の理念にもとづいて保険給付を行います。
第3条は、市町村と特別区が介護保険を行うと定めています。制度を運営する側を保険者と呼びます。厚生労働省の解説によると、制度は平成12年4月に始まりました。
保険料を出し合い、介護が必要になった人がサービスを使う。病気に備える医療保険と同じ、助け合いのしくみです。
0240歳以上が入る。第1号と第2号の違い
市町村に住所がある65歳以上の人が第1号被保険者、40歳以上65歳未満の医療保険加入者が第2号被保険者です。
第9条は、介護保険に入る人(被保険者)を2つに分けています。市町村の区域内に住所がある65歳以上の人が、第1号被保険者です。住所がある40歳以上65歳未満で、医療保険に入っている人が第2号被保険者です。
第1号被保険者は、介護が必要になった原因を問わず、認定を受ければサービスを使えます。一方、第2号被保険者が使えるのは、原因が特定疾病の場合に限られます(第7条第3項第2号)。
特定疾病は、加齢に伴う心身の変化が原因の病気として、政令で16の疾病が定められています。脳血管疾患、初老期における認知症、関節リウマチ、回復の見込みがない状態のがんなどです(介護保険法施行令第2条)。
03使うには認定を受け、費用の1〜3割を払う
サービスを使うには要介護認定か要支援認定を受け、費用の1割(一定以上の所得がある人は2割か3割)を払います。
保険に入っているだけでは、サービスは使えません。市町村の要介護認定か要支援認定を受ける必要があります。認定の流れは、次のレッスンで学びます。
厚生労働省の介護サービス情報公表システムによると、利用者負担はかかった費用の1割です。一定以上の所得がある人は、2割または3割になります。たとえば1万円分のサービスを使うと、1割負担なら1千円です。
施設に入る場合は、この負担のほかに居住費・食費・日常生活費もかかります。保険料を払う側から制度を学びたい人には、姉妹サイト「ゼロから学ぶ社会保障」も役立ちます。
| 項目 | 第1号被保険者 | 第2号被保険者 |
|---|---|---|
| 年齢 | 65歳以上 | 40歳以上65歳未満 |
| そのほかの条件 | 市町村の区域内に住所がある | 市町村の区域内に住所があり、医療保険に加入している |
| サービスを使えるとき | 要介護・要支援と認定されたとき(原因は問わない) | 要介護・要支援の原因が特定疾病で、認定されたとき |
あなたの場合は?
あなたの家族や身近な人で、介護保険に入っている人は誰ですか?その人は第1号と第2号のどちらでしょう?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 介護保険は、市町村と特別区が保険者として運営する社会保険(第3条)
- 65歳以上が第1号、40歳以上65歳未満の医療保険加入者が第2号被保険者(第9条)
- 第2号は特定疾病(16疾病)が原因のときだけ使え、利用者負担は原則1割(所得により2割・3割)
TERMSこのレッスンの用語
保険を運営する側のこと。介護保険では市町村と特別区が保険者になる(介護保険法第3条)。
加齢に伴う心身の変化が原因となる病気として政令で定められた16の疾病。第2号被保険者は、これが原因のときにサービスを使える。
介護保険のサービスを使ったときに利用者が払う費用。原則1割で、一定以上の所得がある人は2割か3割。
LESSON 3-1 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 介護保険の保険者(制度を運営する側)として、正しいものはどれでしょう?
答えを見る
正解: 2. 市町村と特別区
正解は「市町村と特別区」です。介護保険法第3条は、市町村と特別区が介護保険を行うと定めています。
Q2. 第2号被保険者に当たる人として、正しいものはどれでしょう?
答えを見る
正解: 2. 市町村に住所がある40歳以上65歳未満の医療保険加入者
ここがポイントです。第9条は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者を第2号被保険者と定めています。65歳以上は第1号被保険者です。
Q3. 58歳のFさんは、脳血管疾患の後遺症で着替えや入浴に介助が必要になりました。介護保険について正しいものはどれでしょう?
答えを見る
正解: 2. 脳血管疾患は特定疾病なので、認定を受ければサービスを使える
脳血管疾患は、介護保険法施行令第2条の特定疾病の一つです。第2号被保険者でも、原因が特定疾病なら、認定を受けてサービスを使えます。
レッスン3-1はここまでです
迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。