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第9章 障害の理解 ・ レッスン9-4障害の受容とは?心の揺れに寄り添う支援と、家族への支援
約5分 ・ 公開日 2026-10-06
このレッスンの問い
事故で車いすの生活になった人が、車いすの練習を嫌がり「歩く訓練だけしたい」と言います。あなたなら、まず何をしますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
前のレッスンの復習(1問)
本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。
Q1. 前のレッスンの復習です。発達障害者支援法が定める発達障害に含まれるものはどれでしょう?
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正解: 1. 学習障害
正解は学習障害です。発達障害者支援法第2条は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などを発達障害と定めています。統合失調症は精神保健福祉法第5条、肢体不自由は身体障害者福祉法の別表に出てきます。
01障害の受容:そこまでの心の揺れは、健康な心理反応
障害の受容とは、障害の存在を認め、あるがままの自分を受け入れる段階に至ることです。そこまでの心の揺れは、健康な心理反応です。
長寿科学振興財団の解説は、障害を受け入れる過程を、家族の死や事業の失敗への反応と同じ健康な心理反応だとしています。その過程には、否認、怒り、取引、抑うつといった心の動きがあります。6章で学んだキューブラー・ロスの5段階と、同じ名前の心の動きが並んでいます。
受容は、訓練の中で、家族の支えや同じ障害のある人との交流を通じて進みます。気持ちが安定し、目標に向けて前向きに努力するようになり、あるがままの自分を認める段階に至ります。
02寄り添い方:説得せず、共感し、決定を本人に
否認の時期には説得よりも本人の願いを尊重し、怒りの時期には共感を示しながら冷静に対応して、決定権をできるだけ本人に委ねます。
否認の時期には、麻痺を治す訓練には熱心でも、車いすの練習は拒むことがあります。解説は、現実を直視させる説得はあまり効果がなく、否認していたい願望を尊重する対応が必要だとしています。冒頭の問いでも、まず気持ちを受け止めることから始めます。
怒りは、本当は責任のない周囲の人にも向かいます。言動に引きずられず冷静に対応し、決定権をできるだけ本人に委ねます。抑うつの時期には積極的な関わりが必要ですが、干渉を嫌う人には黙ってそばにいることも大切です。
03家族への支援:家族も揺れ、休息が必要
家族も本人と同じように心が揺れるため、相談や家族どうしの支え合い、短期入所による休息などで家族を支えることが大切です。
解説は、否認の時期に家族も落ち込み、面会が減ることがあると指摘しています。障害者基本法第23条は、国と地方公共団体に、家族が互いに支え合う活動の支援などを求めています。
3章で学んだ短期入所は、介護する人の病気などのときに、施設に短期間入所するサービスです。厚生労働省の資料(2017年)は、短期入所の理由として介護する人の病気と並んでレスパイトを挙げています。レスパイトとは、介護する人が休息や息抜きをすることです。
| 心の動き | 見られること | 寄り添い方 |
|---|---|---|
| 否認 | 車いすなど、機能を補う訓練を拒むことがある | 説得より、否認していたい願いを尊重する |
| 怒り | 周囲の人や自分自身に怒りが向かう | 共感を示し、冷静に。決定権をできるだけ本人に |
| 取引 | 現実的でない約束をする | 無視せず、振り回されない |
| 抑うつ | 強い喪失感を感じる | 積極的に関わる。干渉を嫌う人には黙ってそばに |
| 受容 | あるがままの自分を認める | 家族の支えや、同じ障害のある人との交流 |
あなたの場合は?
あなた自身が、受け入れがたい出来事に出会ったとき、周りの人にどう接してほしかったですか?その経験を、利用者や家族への関わりに重ねてみましょう。
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 障害の受容に至るまでの否認・怒り・抑うつなどの心の揺れは、健康な心理反応
- 否認には説得より願いの尊重、怒りには共感と冷静さ。決定権はできるだけ本人に
- 家族も揺れる。相談や家族どうしの支え合い、短期入所によるレスパイトで支える
TERMSこのレッスンの用語
障害の存在を認め、障害を積極的に受け入れて、あるがままの自分を容認する段階に至ること。
介護する家族などが、介護から一時的に離れて休息や息抜きをすること。短期入所の利用理由の1つ。
居宅で介護する人の病気などのときに、障害者等が施設に短期間入所し、入浴・排せつ・食事の介護などを受けるサービス(障害者総合支援法第5条第8項)。
LESSON 9-4 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 障害を否認している時期の対応として、長寿科学振興財団の解説が勧めるものはどれでしょう?
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正解: 2. 否認していたいという願望を尊重する
正解です。解説は、この時期に現実を直視させる説得はあまり効果がなく、否認していたい願望を尊重し、自己防衛の継続を支える対応が必要だとしています。
Q2. 「レスパイト」の意味として正しいものはどれでしょう?
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正解: 1. 介護する人が、休息や息抜きをすること
レスパイトは、介護する人が休息や息抜きをすることです。厚生労働省の資料は、短期入所の利用理由の1つにレスパイトを挙げています。
Q3. 中途障害のある利用者が、介助のたびに職員に強い口調で怒りをぶつけます。適切な対応はどれでしょう?
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正解: 2. 気持ちに共感を示しつつ冷静に対応し、決められることは本人に選んでもらう
ここがポイントです。怒りは責任のない周囲の人にも向かいます。言動に引きずられず冷静に対応し、決定権をできるだけ本人に委ねることが大切です。