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第10章 医療的ケア ・ レッスン10-1

医療的ケアとは?介護福祉士が行える喀痰吸引等

約4分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

たんの吸引は、医師や看護師だけの仕事だと思いますか?それとも介護福祉士も行えると思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

01介護福祉士が行えるのは、たんの吸引と経管栄養の5つ

介護福祉士が医師の指示の下で行える行為は、施行規則第1条で、たんの吸引3つと経管栄養2つの計5つに限られています。

たんの吸引は、口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の3つです。経管栄養は、胃ろう又は腸ろうによるものと、経鼻経管栄養の2つです。法律はこれらをまとめて喀痰吸引等と呼んでいます。

厚生労働省の通知は、口腔内と鼻腔内の吸引は咽頭の手前までを限度とすると示しています。経鼻経管栄養では、チューブが胃の中に正しく入っているかの確認を、医師か看護職員が行います。

胃ろう・腸ろうの状態に問題がないかの確認も、医師か看護職員の役割です。介護福祉士は、この確認を前提に行為を担います。

02看護師の法律の例外として、診療の補助を業にできる

社会福祉士及び介護福祉士法第48条の2は、保健師助産師看護師法の規定にかかわらず、介護福祉士が診療の補助として喀痰吸引等を業にできると定めています。

厚生労働省の資料によると、たんの吸引や経管栄養は「医行為」と整理されています。法律で制度になる前は、一定の条件の下で、例外的に認められていたにすぎませんでした。

制度は平成24年4月1日に始まり、介護福祉士については平成28年4月1日から施行されました。介護福祉士以外の介護職員も、喀痰吸引等研修を修了して都道府県知事の認定証を受ければ、認定特定行為業務従事者として行えます(附則第10条・第11条)。

03事業所の登録と、医師・看護職との連携が条件

喀痰吸引等を業務として行う事業者は、事業所ごとに都道府県知事の登録を受けなければなりません(第48条の3)。

登録の基準には、医師、看護師その他の医療関係者との連携の確保があります(第48条の5)。施行規則第26条の3は、まず医師の文書による指示を受けることを挙げています。

ほかにも、医師又は看護職員が対象者の状態を定期的に確認し、介護福祉士と情報を共有します。計画書と報告書を作り、急変に備えて緊急時の連絡方法を決めておきます。

介護福祉士自身も、実地研修を修了していなければ、事業者のもとで実地研修を受けます。一人の判断で始める行為ではない、ということが大切です。

区分行為主な留意点
喀痰吸引口腔内の喀痰吸引咽頭の手前までを限度とする
喀痰吸引鼻腔内の喀痰吸引咽頭の手前までを限度とする
喀痰吸引気管カニューレ内部の喀痰吸引行為の名称どおり、カニューレの内部
経管栄養胃ろう又は腸ろうによる経管栄養胃ろう・腸ろうの状態に問題がないことを医師又は看護職員が確認
経管栄養経鼻経管栄養チューブが胃の中に入っていることを医師又は看護職員が確認
介護福祉士が医師の指示の下で行える喀痰吸引等(社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第1条と、厚生労働省「今回の法改正で実施可能となった医行為の範囲」をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたの職場で、たんの吸引や経管栄養が必要な利用者がいたら、誰がどの順で関わっているか思い浮かべてみましょう。

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 喀痰吸引等は5つ。吸引は口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部、経管栄養は胃ろう・腸ろうと経鼻
  2. 介護福祉士は保助看法の規定にかかわらず、医師の指示の下、診療の補助として業にできる(第48条の2)
  3. 事業所ごとに都道府県知事の登録が必要。医師の文書による指示と看護職員との連携が条件

TERMSこのレッスンの用語

認定特定行為業務従事者Certified care worker for specified medical acts

介護福祉士以外の介護職員で、喀痰吸引等研修を修了し、都道府県知事の認定証を受けて、医師の指示の下で特定行為を行える人。

登録喀痰吸引等事業者Registered suctioning service provider

介護福祉士による喀痰吸引等の業務を行うため、事業所ごとに都道府県知事の登録を受けた事業者。

喀痰吸引等研修Suctioning and tube feeding training

介護職員が喀痰吸引等を行うのに必要な知識と技能を身につけるため、都道府県知事か登録研修機関が行う研修。

LESSON 10-1 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第1条が定める、介護福祉士が行える喀痰吸引に含まれないものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 咽頭の奥までの喀痰吸引
正解は「咽頭の奥までの喀痰吸引」です。口腔内と鼻腔内の吸引は、咽頭の手前までを限度とすると通知が示しています。

Q2. 介護福祉士による喀痰吸引等の業務を行う事業者に、法律が求めていることはどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 事業所ごとに都道府県知事の登録を受ける
ここがポイントです。第48条の3は、事業所ごとに、所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けることを定めています。

日常の場面で考える

Q3. あなたは介護福祉士で、実地研修はまだ修了していません。利用者のたんがからんでいるのを見た同僚が「資格があるんだから吸引してよ」と言いました。考え方として正しいものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 医師の文書による指示や実地研修など、決められた条件を満たした上で行う
惜しかった人も大丈夫です。介護福祉士でも、医師の文書による指示や実地研修の修了などが条件です。条件を満たさないときは、看護職員に連絡します。

レッスン10-1はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第10章 医療的ケア のレッスン一覧
  1. 10-1医療的ケアと喀痰吸引等
  2. 10-2喀痰吸引の基礎
  3. 10-3経管栄養の基礎

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出典(4件)
  1. e-Gov法令検索「社会福祉士及び介護福祉士法」(第2条第2項・第48条の2・第48条の3・第48条の5、附則第10条・第11条)
  2. e-Gov法令検索「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則」(第1条・第26条の3)
  3. 厚生労働省「介護職員等による喀痰吸引等実施のための制度について」
  4. 厚生労働省「今回の法改正で実施可能となった医行為の範囲」