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第1章 介護福祉士とは・試験のしくみ ・ レッスン1-1

介護福祉士とは?法律が定める仕事と「名称独占」の意味

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

資格を持っていない人が介護の仕事をすることは、法律で禁じられていると思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

01介護福祉士は、介護と介護の指導をする国家資格

介護福祉士は、登録を受けて介護福祉士と名乗り、心身の状況に応じた介護と、本人や介護者への介護に関する指導を仕事にする人です。

介護福祉士の定義は、社会福祉士及び介護福祉士法の第2条第2項に書かれています。対象は、体や心の障害のために日常生活に支障がある人です。その人の心身の状況に応じて、専門的な知識と技術で介護を行います。

仕事は介護そのものだけではありません。たとえば、自宅で暮らす利用者の家族から「ベッドから車いすに移すと腰が痛い」と相談され、負担の少ない方法を伝える。本人と介護者への介護に関する指導も、法律が定める仕事です。

この介護には、たんの吸引などの「喀痰吸引等」も含まれます。医師の指示の下に行われ、厚生労働省令で定める行為に限られます。くわしくは医療的ケアの章で学びます。

02介護福祉士になるには、試験に合格してから登録する

介護福祉士試験に合格すると介護福祉士となる資格を得て、介護福祉士登録簿に登録を受けると介護福祉士になります。

法律の第39条は、介護福祉士試験に合格した人は介護福祉士となる資格を持つ、と定めています。ただし、合格しただけでは、まだ介護福祉士ではありません。

介護福祉士登録簿に、氏名や生年月日などの登録を受けて、はじめて介護福祉士になります(第42条)。これを介護福祉士登録と呼び、登録すると登録証が交付されます。登録の事務は、社会福祉振興・試験センターが行っています。

なお、養成施設の卒業者には、試験に合格しなくても登録できる経過措置があります。受験資格のルートと試験のしくみは、この章の3つめと4つめのレッスンで学びます。

03名称独占:禁じられているのは「名乗ること」

介護福祉士は名称独占の資格で、介護福祉士でない人が介護福祉士という名称を使うことが禁じられています。

法律の第48条第2項は、介護福祉士でない人が介護福祉士という名称を使うことを禁じています。これを名称独占と呼びます。違反すると、30万円以下の罰金の対象です(第53条)。

一方、資格のない人がその仕事をすること自体を禁じる資格もあります。医師法第17条は「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定めています。こうしたしくみを業務独占と呼びます。

介護福祉士は業務独占ではないので、法律が禁じているのは名乗ることです。だからこそ、介護福祉士という名前は、試験と登録を経た専門職であることの目印になります。

名称独占業務独占
法律が禁じること資格のない人が、その名称を名乗ること資格のない人が、その仕事をすること
例介護福祉士(社会福祉士及び介護福祉士法第48条第2項)医師(医師法第17条)
介護福祉士の場合の違反30万円以下の罰金(同法第53条)―(介護福祉士は業務独占ではない)
名称独占と業務独占の違い(社会福祉士及び介護福祉士法・医師法をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたが介護福祉士になったら、利用者への介護と、家族への介護の指導のうち、どちらにより自信がありますか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 介護福祉士は、心身の状況に応じた介護と、本人・介護者への介護に関する指導を仕事にする国家資格
  2. 試験に合格して資格を得て、介護福祉士登録簿に登録して介護福祉士になる
  3. 名称独占:介護福祉士でない人は、介護福祉士という名称を使えない

TERMSこのレッスンの用語

介護福祉士登録Certified care worker registration

介護福祉士となる資格を持つ人が、介護福祉士登録簿に氏名や生年月日などの登録を受けること。登録すると登録証が交付される。

名称独占Exclusive use of title

資格を持たない人が、その資格の名称を使うことを法律で禁じるしくみ。介護福祉士はこれに当たる。

業務独占Exclusive right to practice

資格を持たない人が、その仕事をすること自体を法律で禁じるしくみ。医師の医業が代表例。

LESSON 1-1 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 社会福祉士及び介護福祉士法が定める介護福祉士の仕事として、正しいものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 心身の状況に応じた介護と、本人や介護者への介護に関する指導
正解です。介護福祉士の仕事は、心身の状況に応じた介護と、本人や介護者への介護に関する指導です(第2条第2項)。家族への指導も仕事に含まれる点がポイントです。

Q2. 介護福祉士試験に合格した人が、介護福祉士になるのはいつでしょう?

答えを見る

正解: 2. 介護福祉士登録簿に登録を受けたとき
ここがポイントです。試験の合格で得られるのは「介護福祉士となる資格」です。介護福祉士登録簿に登録を受けて、はじめて介護福祉士になります(第42条)。

日常の場面で考える

Q3. 介護福祉士の登録をしていないCさんが、介護の仕事の名刺に「介護福祉士」と書こうとしています。正しい考え方はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 介護福祉士でない人が介護福祉士という名称を使うことは、法律で禁じられている
介護福祉士は名称独占の資格です。介護福祉士でない人が介護福祉士という名称を使うことは、第48条第2項で禁じられています。

レッスン1-1はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第1章 介護福祉士とは・試験のしくみ のレッスン一覧
  1. 1-1介護福祉士とは
  2. 1-2介護福祉士の義務
  3. 1-3受験資格のルート
  4. 1-4試験のしくみ
  5. 1-5学習計画

講座の目次(全12章)へ

出典(3件)
  1. e-Gov法令検索「社会福祉士及び介護福祉士法」(第2条・第39条・第42条・第48条・第53条)
  2. 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 資格制度の概要」
  3. e-Gov法令検索「医師法」(第17条)