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第6章 こころとからだのしくみ ・ レッスン6-3

出すしくみとは?尿と便をためて、出すまでのからだの働き

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

トイレに行きたいと感じるのは、からだのどこから、どこへ合図が届くからだと思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン6-2から

Q1. 前のレッスンの復習です。摂食嚥下の5期のうち、嚥下反射によって食塊を食道の入り口へ送り込む時期はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 咽頭期
正解です。咽頭期には声門が閉じて気道を守り、誤嚥を防いでいました。

01尿:膀胱にためて、尿意を感じてから出す

腎臓では絶えず尿が作られ、尿は尿管を通って膀胱に流れ込み、一時的にためられます。

MSDマニュアル家庭版によると、膀胱の出口は尿道括約筋という筋肉に囲まれています。ふだんはこの筋肉が縮んで尿道を閉じているので、膀胱がいっぱいになるまで尿をためられます。

膀胱が満ちると、その情報が神経を通って脊髄から脳へ伝わり、尿意を自覚します。排尿をコントロールできる人は、すぐ出すか、もう少し我慢するかを自分で決められます。

出すときは括約筋がゆるみ、同時に膀胱の壁の筋肉が縮んで尿を押し出します。おなかの壁と骨盤底の筋肉を意識して縮めると、押し出す力がさらに高まります。

02便:直腸に下りてくると、便意が起こる

ふだん便は大腸の下行結腸にとどまっていて、直腸は空になっています。下行結腸がいっぱいになり、便が直腸に下りてくると便意が起こります。

肛門は、輪の形をした肛門括約筋によって、排便のときまで閉じています。大人は、トイレに行くまで便意を我慢できます。

乳児や幼児は、便意を我慢するのに必要な筋肉の制御が、まだ足りません。ためる・合図を感じる・出すという流れは、尿も便も筋肉と神経の連携で成り立っています。

03便秘を知る:回数より、変化に目を向ける

MSDマニュアル家庭版は、1日1〜3回の排便から週に2〜3回の排便までは正常だとしています。

便秘とは、排便しにくい、回数が少ない、便が硬い、出したあとも残った感じがある、といった状態です。以前のパターンから大きな変化がない限り、回数が少なくても問題があるとは限りません。

よくある原因として、水分の減少や食物繊維の少ない食事、腸の動きを遅くする薬などが挙げられています。予防には、運動・食物繊維の多い食事・十分な水分の組み合わせが最善とされます。

長く床についている人や体を動かす機会の少ない高齢者では、便が直腸で硬くなる宿便が特に多くみられます。トイレでの介助の工夫は、第5章「排泄の介助」を振り返りましょう。

項目尿便
ためる場所膀胱(伸び縮みする筋肉の袋)下行結腸(ふだん直腸は空)
閉じている筋肉尿道括約筋肛門括約筋
出したくなる合図膀胱が満ち、神経で脊髄から脳へ伝わる(尿意)便が直腸に下りてくる(便意)
出すとき・閉じ方括約筋がゆるみ、膀胱の壁が縮んで押し出す肛門括約筋が排便のときまで肛門を閉じている
尿と便を「ためて出す」しくみの比較(MSDマニュアル家庭版「膀胱」「排尿のコントロール」「直腸と肛門」をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたは、トイレに行きたくなったのを我慢した経験がありますか?そのとき、からだはどう感じていましたか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 尿は膀胱にため、尿道括約筋が閉じている。膀胱が満ちると神経で脳に伝わり尿意を感じる
  2. 便が直腸に下りてくると便意が起こる。肛門括約筋が排便のときまで肛門を閉じている
  3. 排便は1日1〜3回から週2〜3回まで正常。回数より以前からの変化に目を向ける

TERMSこのレッスンの用語

尿道括約筋Urethral sphincter

膀胱の出口を囲む筋肉。ふだんは縮んで尿道を閉じ、排尿のときにゆるむ。

肛門括約筋Anal sphincter

肛門を囲む輪の形をした筋肉。排便のときまで肛門を閉じている。

便秘Constipation

排便しにくい、回数が少ない、便が硬い、排便後も直腸が空になっていない感じがある状態。

LESSON 6-3 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 尿をためているとき、尿道を閉じているのはどの筋肉でしょう?

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正解: 1. 尿道括約筋
正解です。尿道括約筋がふだん縮んで尿道を閉じ、排尿のときにゆるみます。

Q2. 便意が起こるきっかけとして、MSDマニュアル家庭版の説明に合うものはどれでしょう?

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正解: 2. 便が下行結腸から直腸に下りてきたとき
ここがポイントです。ふだん直腸は空で、便が直腸に下りてくると便意が起こります。

日常の場面で考える

Q3. あなたは訪問介護員です。利用者のVさんが「何十年も、2〜3日に1回しか出ないの。毎日出ないと病気かしら」と心配しています。このレッスンの内容に合う受け止め方はどれでしょう?

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正解: 2. 週に2〜3回までは正常とされ、以前からの変化がなければ問題とは限らない。気になる変化があれば医療職につなぐ
惜しかった人も大丈夫です。回数そのものより、以前のパターンからの変化が大切です。薬の判断は介護職ではなく医療職が行います。

レッスン6-3はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第6章 こころとからだのしくみ のレッスン一覧
  1. 6-1こころのしくみ
  2. 6-2食べるしくみと飲み込むしくみ
  3. 6-3出すしくみ
  4. 6-4眠るしくみと睡眠の変化
  5. 6-5死を迎えるときのからだとこころ

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出典(4件)
  1. MSDマニュアル家庭版「膀胱」(2025年1月更新)
  2. MSDマニュアル家庭版「排尿のコントロール」(2023年11月更新)
  3. MSDマニュアル家庭版「直腸と肛門」(2025年4月更新)
  4. MSDマニュアル家庭版「成人の便秘」(2024年5月更新)