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第6章 こころとからだのしくみ ・ レッスン6-2

食べて飲み込むしくみとは?摂食嚥下の5期と、気道を守るはたらき

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

ごはんを一口食べて飲み込むまでに、からだはいくつの段階を通っていると思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン6-1から

Q1. 前のレッスンの復習です。フロイトが考えた、不安から心を守るために無意識のうちに働くしくみを何と呼んだでしょう?

答えを見る

正解: 2. 防衛機制
正解です。防衛機制には、抑圧・反動形成・退行・投影などがありました。

01摂食嚥下の5期:食べ物を見てから、胃に届くまで

食べ物を認識してから、口を通って胃に送り込むまでの一連の動きを5つの段階に分けたものを、摂食嚥下の5期と呼びます。

長寿科学振興財団の健康長寿ネットによると、5つの段階は先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期です。このどこかがうまく働かなくなることを、摂食嚥下障害といいます。

先行期は、目や鼻、手ざわりなどで食べ物を認識し、口に運ぶ前の時期です。硬さはどうか、一口で入る大きさかなども、ここで判断しています。

準備期では、食べ物をかみ砕き、唾液と混ぜて、飲み込みやすいひとかたまり(食塊)にします。口腔期では、舌を上あごに押しつけて圧を高め、食塊をのどへ送ります。

02咽頭期と食道期:気道を閉じて、食道へ送る

咽頭期は、嚥下反射によって、食塊をのどから食道の入り口へ送り込む時期です。

このとき、軟口蓋が上がって鼻への通り道をふさぎ、舌骨や喉頭が前上方に上がって食道の入り口が開きます。同時に声門が閉じ、気道を守るしくみが働くことで誤嚥を防いでいます。

食道期は、食道の蠕動運動と重力によって、食塊を胃へ送り込む時期です。食道の入り口の筋肉は収縮して閉じ、食塊が逆流しないようにしています。飲み込みは、口の中から胃まで続く一連の動きです。

03年をとると起こりやすい変化と、むせのサイン

健康長寿ネットは、高齢者では歯の欠損や、舌の動き・かむ力の低下などによって、摂食嚥下障害が起こりやすくなるとしています。

唾液が減る、口の感覚が鈍くなる、のどへの送り込みが遅くなる、といった変化も挙げられています。摂食嚥下障害は、低栄養や脱水、誤嚥性肺炎、窒息につながることがあります。

食事中のむせや咳は、誤嚥しているサインかもしれません。同じ財団は、むせや咳があるうちは、からだが誤嚥しないように反応しているとしています。

一方、咳の反射が弱っている人では、咳がまったく出ないこともあります。姿勢や食べ物の形の工夫は、第5章「食事の介助」で学んだ内容を振り返りましょう。

段階何が起こるか
1 先行期目・鼻・手ざわりなどで食べ物を認識し、口に運ぶ前に硬さや大きさを判断する
2 準備期食べ物をかみ砕き、唾液と混ぜて食塊をつくる
3 口腔期舌を上あごに押しつけ、食塊をのどへ送る
4 咽頭期嚥下反射で食塊を食道の入り口へ送る。声門が閉じて誤嚥を防ぐ
5 食道期蠕動運動と重力で食塊を胃へ送る。入り口の筋肉が閉じて逆流を防ぐ
摂食嚥下の5期(長寿科学振興財団 健康長寿ネット「摂食・嚥下障害とは」をもとに作成)

あなたの場合は?

次の食事で、一口を飲み込むとき、のどが持ち上がる動きを指先で確かめてみませんか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 摂食嚥下の5期:先行期→準備期→口腔期→咽頭期→食道期
  2. 咽頭期は、嚥下反射で食塊を食道へ送る時期。声門が閉じて気道を守る
  3. むせや咳は、誤嚥を防ぐからだの反応。咳の反射が弱ると、咳が出ないこともある

TERMSこのレッスンの用語

摂食嚥下の5期Five stages of eating and swallowing

食べ物を認識してから胃に送り込むまでを、先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期の5段階に分けた考え方。

食塊Bolus

かみ砕いた食べ物を唾液と混ぜてつくる、まとまりがあって柔らかく、のどを通りやすいひとかたまり。

嚥下反射Swallowing reflex

咽頭期に、食塊をのどから食道の入り口へ送り込む反射。このとき声門が閉じて誤嚥を防ぐ。

LESSON 6-2 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 摂食嚥下の5期のうち、目や鼻などで食べ物を認識し、口に運ぶ前の時期はどれでしょう?

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正解: 1. 先行期
正解です。先行期では、硬さや一口で入る大きさかなども判断しています。

Q2. 咽頭期に起こることとして、正しいものはどれでしょう?

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正解: 2. 嚥下反射が起こり、声門が閉じて誤嚥を防ぐ
ここがポイントです。かみ砕くのは準備期、蠕動運動で胃へ送るのは食道期です。

日常の場面で考える

Q3. あなたは施設の介護職です。咳の反射が弱っていると言われているUさんが、今日の食事ではまったくむせませんでした。このレッスンの内容に合う考え方はどれでしょう?

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正解: 2. 咳が出ないまま誤嚥していることもあるので、食事中や食後の様子に気を配り、気づいたことをチームに伝える
惜しかった人も大丈夫です。むせや咳は誤嚥を防ぐ反応ですが、咳の反射が弱った人では咳がまったく出ないこともあります。

レッスン6-2はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第6章 こころとからだのしくみ のレッスン一覧
  1. 6-1こころのしくみ
  2. 6-2食べるしくみと飲み込むしくみ
  3. 6-3出すしくみ
  4. 6-4眠るしくみと睡眠の変化
  5. 6-5死を迎えるときのからだとこころ

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出典(2件)
  1. 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「摂食・嚥下障害とは」(2019年6月21日更新)
  2. 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「嚥下性肺炎の症状」(2019年2月1日更新)