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第10章 医療的ケア ・ レッスン10-3

経管栄養の基礎とは?逆流と誤嚥を防ぐ安全のポイント

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

口から食べられなくなった人に、管で胃に栄養を入れる。どんなことに気をつける必要があると思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン10-2から

Q1. 前のレッスンの復習です。研修テキストが示す、吸引についての考え方として正しいものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 吸引はその時の状態で必要になり、必要なときは迅速に対応する
正解は「その時の状態で必要になり、迅速に対応する」です。咽頭は介護職員が吸引できる対象にはなっていませんでした。

01経管栄養は、管を通して胃や腸に栄養を入れる方法

経管栄養は、飲み込みや食べることが難しい人などに、鼻からの管や、おなかに作った穴からの管で、栄養剤を胃や腸に入れる方法です。

厚生労働省の研修テキストは、脳血管障害や認知症などで自分から食べられない場合を例に挙げています。食べられても、誤嚥性肺炎を繰り返す場合にも必要になるとしています。

テキストによると、消化管が正常なら、静脈から入れる栄養よりも経管栄養の方が生理的です。消化管の働きを保ち、栄養状態を改善して褥瘡や肺炎の予防にもつながるとしています。

口から食べていなくても、歯みがきなどの口腔ケアは必要だと、テキストは述べています。

02胃ろうと経鼻経管栄養、それぞれの特徴

経鼻経管栄養は入れやすい一方で抜けやすく、胃ろうは手術が必要な一方で抜けにくい、という違いがあります。

経鼻胃管は、入れている間の違和感や、管が細く栄養剤が詰まりやすい点が欠点です。テキストは、抜けると誤嚥などの重大な事故につながりやすいとしています。

胃ろうは、おなかの外から胃の中へ管を通す小さな穴を作る方法です。顔の見た目がすっきりし、抜けにくい利点がありますが、皮膚のトラブルなどのリスクもあります。

経鼻経管栄養では、管の先が胃の中にあることの確認を医師か看護職員が行う、と通知は示しています。

03安全のポイントは、逆流を防ぐ姿勢と速さ

栄養剤が食道を逆流して気管に入ると誤嚥性肺炎を起こしやすいため、上体を起こした姿勢と、医師に指示された速さを守ることが大切です。

テキストは、高齢者では胃の入口がゆるみ、逆流を防ぐしくみが弱くなっていることを挙げています。気管に栄養剤が流れ込むと、通常は強いむせ込みが起こります。上体を起こすことは、栄養剤の逆流を防ぎます。

注入の速さが速いと、嘔吐や呼吸の苦しさ、下痢などを起こすことがあります。指示された速さで入れることが重要です。

管が抜けかけている、苦しそう、吐き気があるなど、いつもと違うときは注入をせず、医療職に連絡して指示を仰ぎます。

経鼻経管栄養(経鼻胃管)胃ろう
管の入り方鼻から胃まで細い管を入れるおなかの外から胃の中へ、小さな穴を通して管を入れる
主な利点挿入が簡便顔の見た目がすっきりし、抜けにくい
主な欠点違和感がある。詰まりやすく抜けやすい造設に手術が必要。皮膚のトラブルなどのリスク
抜けたとき気づかず注入すると誤嚥など重大な事故に直ちに医療職に連絡する
経鼻経管栄養と胃ろうの比較(厚生労働省「喀痰吸引等研修テキスト 第三号研修(特定の者対象)」第Ⅱ章「経管栄養」をもとに作成)

あなたの場合は?

横になったまま水を飲もうとして、むせたことはありますか?姿勢と飲み込みの関係を考えてみましょう。

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 経管栄養は管で胃や腸に栄養を入れる方法。口から食べなくても口腔ケアは必要
  2. 経鼻胃管は抜けやすく、抜けたまま注入すると誤嚥など重大な事故になる
  3. 逆流を防ぐため上体を起こし、指示された速さを守る。異変は注入せず医療職へ

TERMSこのレッスンの用語

胃ろうGastrostomy

おなかの外から胃の中へ管を通す小さな穴を作り、その管から栄養剤を入れる方法。

経鼻経管栄養Nasogastric tube feeding

鼻から胃まで細い管を入れ、その管から栄養剤を入れる方法。

ダンピング症候群Dumping syndrome

栄養剤が急速に胃腸に送り込まれたときに起こる、頻脈や低血圧などの症状。

LESSON 10-3 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 研修テキストが挙げる、経鼻胃管の欠点として正しいものはどれでしょう?

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正解: 1. 抜けやすく、抜けると誤嚥などの重大な事故につながりやすい
正解は「抜けやすく、抜けると誤嚥などの重大な事故につながりやすい」です。手術が必要なのは胃ろうの方でした。

Q2. 経管栄養で、上体を起こした姿勢をとる主な理由はどれでしょう?

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正解: 2. 栄養剤の逆流を防ぐため
ここがポイントです。栄養剤が食道を逆流して気管に入ると、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。上体を起こすことは逆流を防ぎます。

日常の場面で考える

Q3. あなたは研修を修了した介護職員です。注入の準備中、経鼻胃管の固定の印より管が外に出ていることに気づきました。テキストに沿った対応はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 注入をせず、すぐに医療職に連絡して指示に従う
惜しかった人も大丈夫です。テキストは、印より少しでも抜けていれば嘔吐や逆流が起きる可能性が高いので、すぐ医療職に連絡し指示に従うとしています。

レッスン10-3はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第10章 医療的ケア のレッスン一覧
  1. 10-1医療的ケアと喀痰吸引等
  2. 10-2喀痰吸引の基礎
  3. 10-3経管栄養の基礎

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出典(2件)
  1. 厚生労働省「喀痰吸引等研修テキスト 第三号研修(特定の者対象)」第Ⅱ章(経管栄養)
  2. 厚生労働省「今回の法改正で実施可能となった医行為の範囲」