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第11章 介護過程 ・ レッスン11-1介護過程とは?なぜ計画的に介護するのか
約4分 ・ 公開日 2026-10-06
このレッスンの問い
同じ「トイレへの誘導」でも、AさんとBさんでやり方や理由は同じでよいと思いますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
01介護過程は、望む生活を実現するための考え方の道筋
介護過程とは、利用者が望む生活を実現するために取り組む、科学的思考と実践のプロセスのことです。
日本介護福祉士養成施設協会の研修資料(厚生労働省の補助事業)は、介護過程をこう定義しています。目的は、望む生活を実現する上で生じている生活課題を解決することです。
生活課題とは、生活上の困難や支障、本人の望む生活が実現できていない状態などを指します。介護過程は、その人が自分らしく日常生活を営むための支援方法を探る過程です。旅行の計画を立てるときに、行き先の希望や体調、費用を確かめてから決めるのと同じ考え方です。
02計画的に行うのは、介護に根拠を持たせるため
介護は意図的に行う行為であり、介護過程は「なぜそうするのか」という介護実践の根拠になります。
同じ資料は、排泄の介助を例に挙げています。動作は同じに見えても、介助に至った背景や理由は一人ひとり違うはずです。場当たり的に行うのではなく、説明のつく介護をすることが求められます。
経験年数だけに頼ると、ベテランはできても新人はできない、という差が利用者の不利益になりえます。計画に基づいて支援すれば、あとで評価ができ、ケアの質を保つことにつながります。
介護過程を展開することで、心身の状況に応じた質の高い個別ケアができ、利用者のQOLの向上につながると、資料は述べています。
034つの段階を、何度でも循環させる
介護過程は、アセスメント、介護計画の立案、実施、評価の4つで構成され、一方通行ではなく、終結に至るまで何度でも循環します。
介護支援専門員が作るケアプランや施設サービス計画とは別に、介護福祉職は個別介護計画を作ります。ケアプランは第3章、施設サービス計画は第4章で学びました。医師や看護師など各専門職も、それぞれのケア計画を作ります。
厚生労働省の資料によると、養成施設の介護過程は150時間です。求められる介護福祉士像の一つに「専門職として自律的に介護過程の展開ができる」が挙げられています。
| 段階 | すること |
|---|---|
| 1 アセスメント | 情報を集め、分析・解釈・統合して、生活課題を明らかにする |
| 2 介護計画の立案 | 生活課題を解決するための介護目標と、支援内容・方法を決める |
| 3 実施 | チームで計画を共有し、計画に基づいて日々の介護を行う |
| 4 評価 | 目標が達成できたかを振り返り、今後の介護をどうするか検討する |
あなたの場合は?
あなたが毎日している介助の一つを選び、「なぜこの方法なのか」を一言で説明できるか試してみましょう。
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 介護過程は、利用者が望む生活を実現するための科学的思考と実践のプロセス
- 計画的に行うのは、介護に根拠を持たせ、評価してケアの質を保つため
- アセスメント・立案・実施・評価の4段階を、何度でも循環させる
TERMSこのレッスンの用語
利用者が望む生活を実現するために取り組む、科学的思考と実践のプロセス。
生活上の困難や支障、本人の望む生活が実現できていない状態など、介護過程で解決を目指す課題。
介護過程の中で介護福祉職が作る、利用者一人ひとりの介護目標と支援内容・方法をまとめた計画。
LESSON 11-1 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 介護過程の目的として、研修資料が示しているものはどれでしょう?
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正解: 2. 利用者が望む生活を実現する上で生じている生活課題を解決すること
正解は「生活課題を解決すること」です。介護過程は、利用者が望む生活を実現するための道筋でした。
Q2. 介護過程の4つの段階の順番として正しいものはどれでしょう?
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正解: 2. アセスメント→計画立案→実施→評価
ここがポイントです。アセスメント→計画立案→実施→評価で、評価のあとも必要に応じて循環します。
Q3. あなたの職場で、新人職員が「先輩のやり方を見て、その日の感じで介助しています」と話しました。介護過程の考え方から見たアドバイスはどれでしょう?
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正解: 2. なぜその方法なのか、計画と根拠に基づいて介助しよう
惜しかった人も大丈夫です。介護は意図的な行為で、場当たり的でなく説明のつく介護が求められます。根拠は一人ひとり違うので、全員同じ方法にはなりません。