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第2章 人間の尊厳と自立、介護の基本 ・ レッスン2-3

介護福祉士の倫理とは?倫理綱領と多職種のチームケア

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

利用者の希望と、あなたが「こうしたほうがいい」と思うことが違ったら、どちらを大切にしますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン2-2から

Q1. 前のレッスンの復習です。ICFで「物的な環境や社会的な環境、人々の態度による環境」を指す構成要素はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 環境因子
正解は環境因子です。個人因子は性別・年齢・習慣など、身体構造は器官や手足などの体の部分でした。

01倫理綱領:介護福祉士が自ら定めた約束

日本介護福祉士会の倫理綱領は、1995年11月17日に宣言された、介護福祉の専門職としての約束です。前文と7つの項目からなります。

倫理綱領は法律ではありません。介護福祉士の職能団体である日本介護福祉士会が、社会の信頼を得るために定めたものです。法律が定める義務とは別に、専門職として自分たちに課した約束といえます。

前文は、介護が必要なすべての人が、住み慣れた地域で安心して老い、暮らし続けられる社会の実現を願うと書いています。そのために、専門的な知識・技術と倫理的な自覚をもって、最善のサービスに努めるとしています。

さらに日本介護福祉士会は、より具体的な行動の指針として、倫理基準(行動規範)も示しています。

02利用者本位:決めるのは利用者自身

倫理綱領の最初の項目は「利用者本位、自立支援」です。利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けたサービスを提供するとしています。

利用者本位とは、職員や施設の都合ではなく、利用者を中心に考えることです。倫理基準は、介護福祉士が自らの価値観に偏ることなく、利用者の自己決定を尊重するとしています。

自分で決めるには、判断の材料が必要です。そのため倫理基準は、利用者の状態に合わせた方法で情報を提供することも求めています。

倫理綱領は、利用者の真のニーズを受けとめ、代弁することも役割に挙げています。自分の思いを伝えにくい人の声を、周りに届けることです。

03チームケア:一人で抱えず、職種を越えて支える

倫理綱領は、福祉・医療・保健などの職種と積極的に連携し、協力して行動することを掲げています。法律も介護福祉士に連携を求めています(社会福祉士及び介護福祉士法第47条第2項)。

一人の利用者の暮らしには、病気、食事、住まい、家族など多くのことが関わります。一つの職種だけでは支えきれません。それぞれの職種が専門性を持ち寄り、同じ目標に向かって支えることが必要です。

倫理基準は、利用者の生活を支えることに最善を尽くすことを共通の価値とし、他の職種と協働するとしています。円滑な連携のために、情報を共有することも挙げています。

連携の義務は第1章で、チームでの報告・連絡・相談は第4章でくわしく学びます。

項目要点
利用者本位、自立支援基本的人権を擁護し、自己決定を最大限尊重して自立に向けたサービスを提供する
専門的サービスの提供知識・技術の研鑽に励み、実施したサービスに専門職として責任を負う
プライバシーの保護職務上知り得た個人の情報を守る
総合的サービスの提供と積極的な連携、協力福祉・医療・保健などの職種と積極的に連携し、協力して行動する
利用者ニーズの代弁利用者の真のニーズを受けとめ、代弁する
地域福祉の推進地域の介護問題の解決に向け、住民の理解と介護力の強化に協力する
後継者の育成教育水準の向上と後継者の育成に力を注ぐ
日本介護福祉士会倫理綱領の7つの項目(日本介護福祉士会「倫理綱領」をもとに要約)

あなたの場合は?

あなたが何かを決めるとき、周りに「こうしなさい」と言われて困った経験はありますか。そのとき、どんな支えがほしかったですか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 日本介護福祉士会の倫理綱領は1995年11月17日に宣言。前文と7つの項目からなる
  2. 利用者本位:自分の価値観に偏らず、利用者の自己決定を最大限尊重する。思いを代弁することも役割
  3. 福祉・医療・保健などの職種と連携し、情報を共有してチームで支える

TERMSこのレッスンの用語

倫理綱領Code of ethics

専門職の団体が、職業上守るべき価値や行動を示した約束。日本介護福祉士会の倫理綱領は1995年11月17日に宣言された。

利用者本位User-centered approach

職員や施設の都合ではなく、利用者を中心に考えること。日本介護福祉士会倫理綱領の最初の項目に掲げられている。

代弁Advocacy

利用者の真のニーズを受けとめ、本人に代わって周りに伝えること。日本介護福祉士会倫理綱領の項目の一つ。

LESSON 2-3 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 日本介護福祉士会の倫理綱領が宣言されたのはいつでしょう?

答えを見る

正解: 2. 1995年11月17日
正解は1995年11月17日です。1980年は国際障害分類(ICIDH)が発表された年、2001年5月はICFがWHO総会で採択された時期です。

Q2. 日本介護福祉士会の倫理綱領と倫理基準の考え方として、正しいものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 自らの価値観に偏ることなく、利用者の自己決定を尊重する
ここがポイントです。倫理基準は、自らの価値観に偏らず自己決定を尊重するとし、連携のために情報を共有するとしています。

日常の場面で考える

Q3. あなたは施設の介護福祉士です。利用者のGさんが最近、食事を残すようになり、「入れ歯が痛い」と小さな声で言いました。倫理綱領に沿った行動はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. Gさんの言葉を記録し、看護職員などチームに伝えて、対応を一緒に考える
惜しかった人も大丈夫です。Gさんの思いを受けとめて周りに伝えることは代弁にあたり、情報を共有して他の職種と協働することは連携にあたります。一人で決めず、チームで考えます。

レッスン2-3はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第2章 人間の尊厳と自立、介護の基本 のレッスン一覧
  1. 2-1尊厳の保持と自立支援
  2. 2-2ICF(国際生活機能分類)
  3. 2-3介護福祉士の倫理とチームケア
  4. 2-4身体拘束をしない介護
  5. 2-5事故の防止と感染対策

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出典(2件)
  1. 日本介護福祉士会「倫理綱領」(倫理綱領・倫理基準(行動規範))
  2. e-Gov法令検索「社会福祉士及び介護福祉士法」(第47条)