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第7章 発達と老化の理解 ・ レッスン7-3高齢者に多い病気とは?介護職が気づきたいサイン
約5分 ・ 公開日 2026-10-06
このレッスンの問い
高齢の利用者に熱がほとんどないとき、肺炎の心配はないと思いますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
前のレッスンの復習(1問)
本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。
Q1. 経験や学習で身につけ、高齢になっても保たれやすいとされる知能はどれでしょう?
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正解: 2. 結晶性知能
正解は「結晶性知能」です。言語能力や理解力などを含み、高齢になっても保たれやすいとされます。処理の速さを含む流動性知能は低下しやすい知能です。
01介護が必要になった原因は、認知症・衰弱・骨折・転倒・脳血管疾患
厚生労働省の2025(令和7)年国民生活基礎調査では、在宅の要介護者等が介護を必要とした主な原因は、認知症16.7%、高齢による衰弱15.6%、骨折・転倒14.6%の順でした。
4番目は脳血管疾患(脳卒中)の12.5%、5番目は関節疾患の9.1%でした。どれか1つが飛び抜けて多いわけではありません。ここでいう要介護度は、2025年6月時点のものです。
要支援者では高齢による衰弱が17.7%で最も多く、要介護者では認知症が23.6%で最も多くなっています。認知症は第8章で、衰弱と深く関わるフレイルは次のレッスンでくわしく学びます。
02高齢者の病気は、典型的な症状が出にくい
高齢者の病気は、教科書どおりの症状が出ないことが多く、急に状態が変わって重くなりやすいのが特徴です。
たとえば肺炎でも微熱程度のことがあります。心筋梗塞の痛みが、胸ではなくおなかに出ることもあります。
脱水も気づきにくい状態です。高齢者はのどの渇きを感じにくく、失禁や夜間のトイレを気にして水分を控えることもあります。軽い脱水では、症状がはっきりしないことが少なくありません。
脱水が進むと、口の渇き、だるさ、立ちくらみ、皮膚や唇・舌の乾燥、微熱、食欲の低下などが見られます。病気が複数重なっている人も多く、一つの症状だけで判断できません。
03「いつもと違う」に気づき、看護職や医師につなぐ
介護職の役割は病気を診断することではなく、ふだんとの違いに気づいて記録し、看護職や医師にすばやく伝えることです。
脳卒中では、FASTという合言葉が知られています。顔がゆがむ、腕が上がらない、話ができない。この1つでも当てはまれば、すぐに救急車を呼ぶよう促す標語です。
一時的に症状がよくなっても、重い脳梗塞の前ぶれのことがあります。発症した時刻も、治療を選ぶうえで大切な情報です。
ふだんの様子を知っているからこそ、小さな変化に気づけます。食事の量や表情、話し方、歩き方などを日ごろから見ておくことが土台です。伝え方は、第4章の「報告・連絡・相談と記録」で学びました。
| 順位 | 主な原因 | 割合 |
|---|---|---|
| 1 | 認知症 | 16.7% |
| 2 | 高齢による衰弱 | 15.6% |
| 3 | 骨折・転倒 | 14.6% |
| 4 | 脳血管疾患(脳卒中) | 12.5% |
| 5 | 関節疾患 | 9.1% |
| 6 | 心疾患(心臓病) | 4.8% |
あなたの場合は?
あなたがよく知る人の「ふだんの様子」を、3つ挙げられますか?どこが変わったら「いつもと違う」と気づけそうでしょう?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 介護が必要になった主な原因(2025年)は、認知症・高齢による衰弱・骨折・転倒・脳血管疾患
- 高齢者の病気は典型的な症状が出にくい。肺炎でも微熱程度、軽い脱水は気づきにくい
- 介護職は診断しない。いつもとの違いに気づき、看護職や医師に伝える(脳卒中はFAST)
TERMSこのレッスンの用語
脳の血管が詰まる脳梗塞、血管が破れる脳出血とくも膜下出血を含む病気。半身の麻痺や言葉の障害などが起こる。
体内の水分が足りない状態。高齢者はのどの渇きを感じにくく、軽いうちは症状がはっきりしないことが多い。
顔がゆがむ・腕が上がらない・話ができないの3つを確かめ、1つでも当てはまればすぐ救急車を呼ぶよう促す脳卒中の合言葉。
LESSON 7-3 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 2025(令和7)年の国民生活基礎調査で、在宅の要介護者等が介護を必要とした主な原因として、最も割合が高かったものはどれでしょう?
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正解: 1. 認知症
正解は「認知症」で16.7%でした。次いで高齢による衰弱15.6%、骨折・転倒14.6%、脳血管疾患12.5%です。
Q2. 高齢者の病気の特徴として、本文の内容に合うものはどれでしょう?
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正解: 2. 典型的な症状が出ないことが多く、急に重くなりやすい
ここがポイントです。肺炎でも微熱程度のことがあり、高齢者はのどの渇きも感じにくくなります。典型的な症状だけで判断しないことが大切です。
Q3. あなたは施設の介護職です。昼食中、Mさんの顔の片側がゆがみ、話しかけてもうまく言葉が出ません。対応として適切なものはどれでしょう?
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正解: 2. 脳卒中のサインの可能性があるので、すぐ看護職に伝え、施設の手順に沿って救急車を呼ぶ
顔のゆがみと言葉の障害は、FASTで確かめる脳卒中のサインです。1つでも当てはまれば救急車を呼ぶよう促されています。介護職は診断せず、すぐにつなぐことが役割です。