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第12章 介護の現場の課題 ・ レッスン12-2

家族介護者を支えるには?介護休業・介護休暇と相談先

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

親の介護が始まったとき、仕事を辞めずに続けるための制度があることを、どれくらい知っていますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン12-1から

Q1. 前のレッスンの復習です。厚生労働省の推計で、2026年度に必要とされる介護職員数はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 約240万人
正解は「約240万人」です。2040年度は約272万人、2022年度の実績は約215万人でした。

介護のことで困ったときの相談先

この講座は学習用で、個別のケースの判断はできません。家族の介護に困ったときや、高齢者への虐待かもしれないと思ったときは、次の公的な窓口に相談できます。確信がなくても相談できます。

命の危険があるときは110番や119番に連絡してください。出典: e-Gov法令検索「介護保険法」第115条の46、e-Gov法令検索「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」第7条・第21条

01介護休業は通算93日、3回まで分けて取れる

育児・介護休業法では、要介護状態にある対象家族を介護する労働者は、事業主に申し出て介護休業を取れます。対象家族1人につき3回まで、通算93日までです。

対象家族は、配偶者、父母、子、配偶者の父母などです(第2条)。介護休業は、3回の休業をした場合か、日数が通算93日に達した場合に、その家族については申し出られなくなります(第11条)。

このほか、短い休みとして介護休暇があります。1年度に5労働日まで、要介護状態の対象家族が2人以上なら10労働日まで取れます(第16条の5)。事業主は、介護休暇の申出を拒めません(第16条の6)。

022025年4月から、会社による個別の周知と意向確認が義務に

2025(令和7)年4月1日からは、介護に直面したと申し出た労働者に、事業主が制度を個別に知らせ、利用の意向を確認することが義務になりました。

知らせる内容は、介護休業などの制度、申出先、介護休業給付金に関することです(第21条第4項)。厚生労働省のリーフレットは、取得や利用を控えさせるような周知や意向確認は認められないとしています。

介護に直面する前の40歳などの早い段階で、制度の情報を提供することも事業主の義務になりました(同条第5項)。研修や相談窓口の設置など、介護離職を防ぐ環境の整備も求められています。

03介護福祉士は、家族の相談先をつなぐ立場にある

介護保険の相談は地域包括支援センターやケアマネジャー、仕事との両立は勤め先の申出先や都道府県労働局が窓口になります。

介護・看護のために仕事を辞めた人が10.6万人いたことは、第8章で学びました。家族の疲れや迷いに気づいたら、一人で抱えないよう、相談先を伝えることができます。地域包括支援センターは第3章で学びました。

介護しているのが子どもや若者のこともあります。子ども・若者育成支援推進法は、家族の介護などの世話を過度に行っている子ども・若者を、支援の対象としています(第2条第7号)。

こども家庭庁によると、この子ども・若者をヤングケアラーとして明記する法改正が、2024(令和6)年6月に成立・施行されました。

制度内容
介護休業対象家族1人につき3回まで、通算93日まで
介護休暇1年度に5労働日まで(対象家族が2人以上なら10労働日まで)
個別の周知・意向確認介護に直面したと申し出た労働者に、事業主が制度を知らせ、利用の意向を確認する(2025年4月1日から義務)
早い段階での情報提供40歳に達する年度などに、事業主が制度の情報を提供する(2025年4月1日から義務)
仕事と介護の両立を支える主な制度(育児・介護休業法 第11条・第16条の5・第21条と、厚生労働省リーフレット「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」をもとに作成)

あなたの場合は?

もし明日、あなたの家族に介護が必要になったら、勤め先のどこに相談すればよいか知っていますか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 介護休業は対象家族1人につき3回まで、通算93日まで
  2. 介護休暇は1年度に5労働日まで(対象家族2人以上なら10労働日)
  3. 2025年4月から、個別の制度周知・意向確認と40歳等での情報提供が事業主の義務

TERMSこのレッスンの用語

介護休業Family care leave

労働者が、要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業。対象家族1人につき3回まで、通算93日まで取れる。

介護休暇Family care days off

要介護状態にある対象家族の世話をするための休暇。1年度に5労働日まで、対象家族が2人以上なら10労働日まで取れる。

ヤングケアラーYoung carer

家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者。子ども・若者育成支援推進法で支援の対象とされている。

LESSON 12-2 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 育児・介護休業法で、介護休業を取れる日数と回数の組み合わせとして正しいものはどれでしょう?

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正解: 1. 対象家族1人につき通算93日まで、3回まで
正解は「通算93日まで、3回まで」です。1年度に5労働日までなのは、短い休みの介護休暇でした。

Q2. 2025年4月1日から事業主の義務になったものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 介護に直面したと申し出た労働者に、制度を個別に知らせて意向を確認すること
ここがポイントです。個別の周知・意向確認と、40歳などの早い段階での情報提供が義務になりました。

日常の場面で考える

Q3. あなたは訪問介護の介護福祉士です。利用者の娘さんが「仕事と介護の両立が限界で、会社を辞めようかと思う」と話しました。対応として適切なものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 介護休業などの制度があること、勤め先の申出先やケアマネジャーに相談できることを伝える
惜しかった人も大丈夫です。介護休業や介護休暇などの制度があります。一人で抱えないよう、相談先につなぐことができます。

レッスン12-2はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第12章 介護の現場の課題 のレッスン一覧
  1. 12-1介護人材の不足
  2. 12-2家族介護者と仕事の両立
  3. 12-3施設での虐待を防ぐ

講座の目次(全12章)へ

出典(4件)
  1. e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(第2条・第11条・第16条の5・第16条の6・第21条)
  2. 厚生労働省 リーフレット「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」(令和7年4月1日から段階的に施行)
  3. e-Gov法令検索「子ども・若者育成支援推進法」(第2条)
  4. こども家庭庁「ヤングケアラーについて」